「食と農のキャラクター大賞2009」に多数の作品をご応募いただきありがとうございました。
厳正なる審査の結果、残念ながら今回は最優秀作に該当する作品を選び出すことができませんでしたが、発表規定の‘3点以内の優秀作’を拡大して4点を優秀作として選出しました。
審査講評に加え優秀作受賞作品をご紹介いたします。
岡村昭和氏
(株式会社アドバタイズ代表取締役)
作品は造形的というよりも自分の目線でモノを見て発想していることが一番大きいと感じました。
こういう環境のなかで、いわゆる流行モノに目をつけている作品もありましたが、ベーシックな作品が多かったと感じました。
佐野裕氏
(社団法人家の光協会 『家の光』編集長)
日本の農産物にスポットライトを当てようという基本的な考え方からすると、今まで農業界に携わっていた人の中で一番欠けていたのが「実際に調理して食べる」「商品を買う」といった女性の視点が今までの農業ジャンルでは欠けていたのではないかと思います。
中国の餃子問題や食品の安全性が出始めてようやく「買う」「調理する」「食べる」目線が必要だという意識が出始めたと感じます。
現在、農業の現場では、女性農業者が一番元気です。女性の生産者と消費者がうまくマッチングできて、そのためのキャラクター展開が出来るという視点から選びました。
三浦滉平氏
(デザインハウス・ミウラ)
自分は普段企業に提案をしている側なので、自分の反省点を踏まえて採点しました。応募作品の中で気になったのは、ダジャレや流行に引きずられているのが気になりました。
クリエイターとしてそれではいけないと思いますので、他に似ている、流行っているモノはキャラクターとしての新鮮味がないので、なるべく独自性があり、新しいモノを選びました。
作品名
まんぷく芸農社
作者名
(株)クリエイティブオフィス・タブコ 菅野久美子
【講評】
日本の「農と食」が抱えている問題を、主人公の小学生姉弟を案内役に、芸能人ならぬユニークなキャラクター‘芸農人’たちがユーモアを織り交ぜながらわかりやすく伝えようとした姿勢を評価。 (岡村昭和氏)
作品名
しょくちゅん&のうちゅん
作者名
ウィズ 小林久美、高木紀子、鈴木智美
【講評】
都会のすずめと田舎のすずめをモチーフにしている社会派のアイディアを評価。 (三浦滉平氏)
すずめをキャラクターにした点がユニーク。デザインも親しみやすく、活用しやすいと思う。楽しさ感がある。(佐野裕氏)
作品名
みのりフレンズ
作者名
(有)エピスワード、(株)協同宣伝 山下剛央
【講評】
シンプルで現実性が高くバランスがとれている。地図記号をキャラクターの中に持ってきたアイディアを評価。 (三浦滉平氏)
表現のシンプルさがキャラクターをいきづかせている。やはりシンプルには真実が隠されている。日本農業の将来はこのキャラクター「タンボくん」「ハタケくん」「カジツちゃん」が、希望の道標になるはず。 (岡村昭和氏)
作品名
むすびねこ
作者名
スタジオ・クー、(株)協同宣伝前田知之
【講評】
親しみやすく、かわいいキャラ。活用方法も多彩で実現性あり。オリジナリティや、食の象徴となるキャッチコピーなどはインパクトに欠けるもののやさしさ感がある。全体として、女性に好感をもってもらえそう。 (佐野裕氏)