東京本社 コミュニケーションデザイン局 竹中翠・井野絵里香
この連載では、ミレニアル世代である私たちが、協同宣伝で働く様々なライフステージの社員に話を聞き、多様な人材の活用と働き方について考えていきます。
第一回目のテーマは「仕事と子育て」です。子育てへの関わり方は様々ですが、仕事と子育てを両立する場合は、柔軟な働き方が必要となるため、子育てに対して協力的な職場環境は非常に重要です。出産後も仕事を続ける女性が増えているなかで、職場を選ぶ際の、福利厚生や時短勤務、在宅勤務、出産後も働きやすい環境かというのも重要なポイントかと思います。一方で、「育児は女性がするもの」という印象を持たれることが依然としてありますが、内閣府の調査によると、男性の育児休業取得率は年々上昇しており、子どもをもつ夫の育児関連時間は20年前よりも2倍に増えています。
このような社会的な背景がある中で、協同宣伝で働く子育て世代の社員は、どのような考えを持っているのでしょうか?「仕事と子育て」の話を聞いてみました。
《 プロフィール 》
東京本社勤務:佐藤
2007年入社。営業職を10年経験後、現在は総務局で人事を担当。業務内容は新卒・中途採用、部署の配置、社員の研修の手配など。小学5年生の女の子、小学3年生の男の子のお父さん。
東京本社勤務:馬場
2011年入社。2014年4月に1回目の産休を取得後、2015年5月に復職。時短勤務制度を利用しながら子育て中。2018年8月からは2回目の産休を取得し、2019年5月ごろ復職予定。今年4歳になる男の子と、9月に出産の男の子のお母さん。
― お子さんが生まれてから働き方の変化であったり、ご家族のサポートはありましたか?
馬場子どもが生まれてからは時短勤務にさせてもらったので、働き方はかなり変わったと思います。急に休まないといけなくなった時に、他の人でも対応できるようにマニュアルを作るように心がけて、業務を進めるようになりました。
佐藤馬場さんは時短勤務で、仕事量が少なくなったように周りからは見えることもあるかもしれませんが、実は色々な工夫をして、「この時間には帰ろう」という努力をされています。なので、仕事を減らすのではなく、効率的に進めることが必要だと思います。
馬場家族のサポートという点では、私の実家が自宅から車で5分くらいなので、子どもが生まれる前は父に病院の送り迎えをお願いしていました。生まれてからも、急に子どものお迎えが必要になった時には、父にお願いし、かなり助けてもらっています。夫も職場が自宅から近いので、仕事に差支えがなければ迎えに行ってもらっています。
― 夫婦のどちらか、できる方が対応しようというのは理想的ですね。
馬場旦那さんにも同じ目線で子育てに取り組んでほしいというのは、みんな求めることだと思います。私が夫にしてもらって嬉しかったのは、「好きなところに行ってきていいよ」と、私が子どもと離れる時間を作ってくれて、母親だけではない人格を尊重してくれたことですね。
佐藤うちは奥さんが専業主婦で、奥さんの実家も私の実家も自宅から近いので、何かあった時の体制には恵まれています。なので、私は子どもと遊んだり、お風呂に入れる担当でした。子どもが生まれてからは、今でも土日は家族と遊んで過ごしています。
― 子育ての経験が仕事に活きたことはありますか?
佐藤私は営業職として、子ども向け商品の案件を担当した際に、子どものいる家庭に対してどのようなアプローチの方向があるかを奥さんに相談できたり、実体験を仕事に活かすことができました。
― 産休を取る際、不安もあったかと思いますが、「こんなことが心強かった」というエピソードはありますか?
馬場私より前に産休を取得したことがある、社内の先輩に相談に乗ってもらいました。「こういう時はもっと甘えたほうがいいよ」、「こういうことはもっと主張した方がいいよ」といったアドバイスや、体調に関しては「こんなもんだよ」と教えてくれたので、安心できました。周りの方に色々と配慮してもらったり、休暇を取ることに対して申し訳なさがあったんですが、「社内の人を頼ったり、甘えていいんだよ」という意識づけを、自分にしてもらえたと思います。休みに入る前に、他部署の女性社員の方が、「事例があった方が、他の若い子たちも取ろうと思えるから、また帰ってきて続けてね」と言ってくれたことがあり、戻る時の不安は常にありましたが、歓迎してくれる人もいるというのはとても励みになりました。
― お子さんの熱が出たときなど、突発的に休みを取ったり早退したことはありますか?
佐藤私もあります。もちろん、その時の状況によりますが、調整次第で何とかなると思うので、そんなに堅苦しく考えなくていいと思います。子どもが熱を出して帰ってきてほしいと言われたときに、会社で仕事していても全然作業が進まなくて、かえって周りに迷惑をかけてしまうと思うんですよね。そんな時は周りに協力してもらって、さっと帰ったほうがみんなハッピーな気がしますね。
― 育休はまだ女性が取るイメージが強いと思いますが、男性として取得してみたいと思ったことはありますか?
佐藤あります。ただ私の場合、家族のサポート体制に恵まれていたので、いい意味で必要とされなくて、だったら頑張って働いているほうがいいっていう結論に至って取得しませんでした。例えば一か月くらい休みを取って身の回りのことをサポートすることは、個人的にすごく興味はありました。なので、育休を取得したい男性社員のことは是非応援したいです。
馬場特に産後は、お母さんは体を元に戻すので精いっぱいなので、そこに旦那さんがいてくれると喜ばれると思います。
佐藤私自身は育休を取らなかったけど、夫婦両方の実家が遠かったり、近くにいても頼みづらい時には、会社にある制度を積極的に利用してほしいと思います。
― こんな制度やイベントがあれば、より子育てしやすい、働きやすい環境になるのかなと思うことはありますか?
佐藤社内に託児施設を設けたり、家族に会社のことを理解してもらうためのファミリーデーが実施できればいいなと思うことはあります。
馬場あとは「小1の壁」というのがあって、小学校に上がると保育園ほどのサポートが得られなくなるんです。学童だと5時までしか子どもを預かってくれなかったりして。周りの話を聞いていると、時短勤務の期間が終わってしまうと、仕事を諦める人もいるみたいです。働き方を考え直す必要が出てくると思うので、設備や環境が整ってくれたらいいなぁと思います。
佐藤小1の壁や、子どもの長期休み中の働きづらさなど、テーマはいろいろあると思うので、そんな悩みを解消できる制度もひとつずつ会社全体で考えていきたいです。
― 今後どんな会社になっていくことが理想ですか?
佐藤今は、少しずつ色々な制度を活用する人が増えて、今後その制度を利用する社員が、より安心して利用できる環境を整えていきたいと思っています。どこの部署でも男女問わず、制度を利用できる環境が整っていくと、働きやすい会社になるのかなと思います。
馬場時短勤務をしていると、何時間でも残業できる人とは仕事の量が変わってしまうことを感じます。なので、誰もが休みを取りやすい環境であったり、急に病気をした時にフォローし合えるような環境になれたら、お互いに負い目を感じることなく仕事ができると思います。
今回、子育て世代のお二人の話から、仕事と育児の両立には、職場の制度を利用しやすい環境づくりが重要であることが分かりました。その中には、子育て世代以外からの理解や、男性の育休取得を後押しする雰囲気づくりも必要であるという課題も見えてきました。私たち自身も将来子育てをするようになったら、自分らしい働き方ができるように、制度を積極的に利用して前例を作っていきたいと思います。また、子育てをしている人が少しでも働きやすさを感じられるような、雰囲気づくりにも協力していきたいと思います。